十国峠

投稿日: 作成者: GRour7uK

富士山の絶景スポット

十国峠といえば、太宰治の作品「富嶽百景」の中にも記述が登場してくる有名な場所です。

物語冒頭で、富士山の見え方についてさまざまにダメ出しをしておきつつ「十国峠から見た富士だけは、たかかつた。あれは、よかつた」と大絶賛をしていることがとても印象的な描写になっています。

富士山がキレイに見えるスポットは関東近県にいくつもありますが、その中でも1、2を争うと言ってもよい絶景が十国峠にはあります。

ツーリングの醍醐味は一般的な観光地とはまた違った自分だけのお気に入りの風景を見つけることができることなので、ぜひ一度は十国峠に足を運びたいところです。

どうして十国峠からの富士山が美しいかというと、見える角度としてまず5~6合目付近にある宝永火口がやや左よりにあり、また山頂からの稜線がなだらかに伸びて見えるというロケーションに恵まれているためです。

運良く晴れた日にはそんな山肌の風景や傾斜がくっきりとした輪郭で見えるので、まさに一生に一度は見たい絶景になることでしょう。

「十国峠」という名前の由来

ところで「十国峠」という名称ですが、これは文字通りその峠から10の国を見渡すことができたということから付けられた名前です。

旧国名になりますが、伊豆・駿河・遠江・甲斐・信濃・相模・武蔵・下総・上総・安房という現在でいうところの関東甲信越地域全般を含む地域ということになります。

それだけ広い地域を全般的に見渡すことができる場所というのは関東広しと言っても決して多くはありません。

富士山をはじめとし、他にも駿河湾や湘南海岸といった関東の名所を見渡すことができます。

より高い場所から景色をみるためには十国峠ケーブルカーもあるので、バイクの運転の一休みとしても利用がおすすめできます。

十国峠があるのは日金山という標高は765mの山で、その山頂に向かうハイキングコースもあるので登山やキャンプが好きという人にとってもよく利用される場所です。

十国峠へのツーリングルート

十国峠へのツーリングでは、箱根峠から向かう道が便利です。

箱根の山はドライブやツーリングとして有名ですが、そこから外輪山の尾根を伝っていくことで十国峠に至ることができます。

ただし箱根から十国峠に至るまでの道のりでは道幅が狭い部分もあり、見通しの悪いカーブもいくつかあるのであまり気分よくスピードを出し過ぎるのは禁物です。

さらに季節によっては霧が発生してかなり危険な状態にもなるので、夜間や夕方などの視界が悪くなる時間帯の前には早めにライト点灯などをして安全運転につとめてください。

十国峠はそれ自体を目的地としてもよいのですが、峠を越えると今度は熱海の街に到着をすることができます。

関東からは熱海の温泉街へ向かう小旅行としてもよく利用されるので、道すがらを楽しむ旅行にもおすすめの方面となっています。

関東から熱海方面に向かう途中にはいくつも名産品が購入できるお店もあるので、そこでグルメを楽しむのもよしです。